TSUJI Mitsutaka

心地よいエコな暮らしの実現

気象データを読む(心地よいエコハウスのつくり方5)

まずはマクロな視点・気象特性で、地域の良さを見つけていきましょう。 基本となるのは気象状況を反映した省エネ基準の地域区分です。 気温は寒冷な1地域から温暖な6地域、蒸暑い8地域まで8つの地域区分で示されます。 日射量の多寡は3つの期間(年間、暖房期、冷房期)において5段階(5が多い、3が平均、1が少ない)で示されます。 気温からは温熱性能の目標を決めるヒント、年間日射量からは太陽光発電や太陽熱温水 […]

気象データ分析ツール(気象庁の統計情報分析)

気象庁の過去の気象データの分析シートです。 気象データ分析ツール21.xlsx 気象データ分析ツール.PDF マニュアル 最も簡易で、一般的に手に入る気象データとして、気象庁の気象統計情報がありますが、そのままでは数字が並ぶだけで、その数値がどのような状態を表しているかを判別するのは経験を要します。 そこで本ツールは、気象庁の気象統計情報の数値からグラフ等に視覚化し、さらに別の地域と比較することで […]

ポジティブ思考で考える(心地よいエコハウスのつくり方4)

パッシブデザインのキモはポジティブに考えることです。 例えば、寒い日は気分が沈みがちになりそうですが、たとえば断熱がしっかりしていて、日射があるとポカポカした暖かさが最高に気持ちいいと思いませんか。 体が暖まっていると、少し外に出るくらいも気になりません。 暖かい地域ではこの心地よさはなかなか得られないものです。 視点をポジティブに持って、地域の良さを見つけることから始めます。 ーーーーーーーーー […]

地域の良さを活かす(心地よいエコハウスのつくり方3)

ここで心地よいエコハウスを考えるヒントにパッシブデザインについて紹介します。 パッシブデザインとは、暮らし方と建築の工夫で自然エネルギー(太陽、風、雨など)や地域の特性を最大限に活用・コントロールし、心地よい室内環境を実現しながら、エネルギー消費を抑える設計の考え方と手法です。 自然エネルギー活用には機械設備では得られないメリットがたくさんあります。 省エネ効果に加え、空気や光の揺らぎ、スペクトル […]

少しの温度ムラとコントロールできる楽しさ(心地よいエコハウスのつくり方2)

まずは目指すべき心地よさについて考えてみます。 心地よい温熱環境とは、放熱と発熱のバランスがとれている状態と考えています。 暖かいや涼しいといった快感があると快適になります。ですが快適な環境は、ずっといると疲れてしまいます。 目指すは、温熱感を感じず、読書や家事、仕事に集中できる心地よい環境です。 人は常に体の中で熱を作っていて、活動によって異なります。 読書している時は100Wくらいの発熱ですが […]

心地よいエコハウスとは(心地よいエコハウスのつくり方1)

「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス」のエッセンスを抜き出して心地よいエコハウスのつくり方として紹介していきます。 さて、みなさんは「心地よいエコハウス」と聞くとどんな家を想像しますか。 私が考える心地よいエコハウスは、エネルギーをほとんど使わず、初夏には気持ちの良い風が流れ、冬はポカポカした陽気が感じられる住まいです。 つまり、高断熱・高気密で室内環境がコントロールされた閉鎖的な省エネ住宅ではなく、 […]

ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス

ぜんぶ絵でわかる7エコハウス

このたび、自身初の単著「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス」が発刊の運びとなりました。 発売は2024年4月3日になります。 2020年6月から2年間「建築知識」で連載していた「心地よくエコに暮らす住まいのルール」を大幅に加筆し、建築初学者に向けた心地よいエコハウスの設計の流れをまとめました。 この本は、私が授業やセミナーの中で話してきた内容を中心にまとめています。 特に気を付けたのが、こうしなさいと […]

建築設計用気象データ 分析ツール

建築設計用気象データのエクセルでの分析ツールをダウンロードページで公開しました。 建築設計用気象データはWEB上で住所を入力するとピンポイントの気象データ(気温、降水量、絶対湿度、全天日射量、大気放射量、風速、風向、太陽高度)が計算されます。これは気象庁の中規模数値予測モデルに基づき、地点を囲む最低4地点のデータから標高補正と空間補完しています。 CSV形式で1時間ごとのデータに出力できるので、本 […]

気密性能 JIS改正の概要

ISO9972が2015年に改定されたことを受けて、2017年12月にJISも改定 概ねこれまで通りだが一部変更点もある。 ●試験方法に関して(ISOの規定に統一) 建物条件が2種類 建物条件1 外皮だけを対象とする場合(原則こちらの条件を採用) 建物条件2 局所換気等を含めた外皮を対象とする場合 建物条件1は外皮だけを計測するので、換気設備はテープなどで気密処理を行う(旧JISの気密処理しても良 […]

温熱性能の向上と結露対策は必ずワンセット

温熱性能を向上させると、暖かい室内と寒い外部とで温度差が大きくなり、結露が発生しやすくなります。 結露が発生すると、木材腐朽菌やシロアリによって建物が短命になったり、カビやダニによって健康を害してしまうことがあるため、温熱性能の向上は結露対策と必ずセットで考えないといけません。 そのためには、見えない水蒸気が、どのくらいの量が存在してどのように動いているのかをイメージする必要があります。 下図は、 […]

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