省エネは建築と暮らしの工夫の上にある

温熱性能と省エネ性能は分けて考える必要があることを前回紹介しました。
では、省エネ性能はどうやって高めていけばいいのでしょう。

エネルギー消費を抑える工夫は4つあります。

1.「建築の工夫」

建物の断熱(HEAT20G2以上が効果的)や気密、日射制御性能といった建築工夫で、外気の影響を受けにくくしたり、日射を調整できるようにします。

2.「暮らしの工夫」

適切に計画した窓も雨戸を閉めっぱなしでは省エネになりません。日光を取り入れたり遮蔽したり、通風したりと「建築の工夫」を活かすには暮らし方が大切です。

3.「設備の工夫」

エコキュートやLED照明などの高効率機器を採用すると、普段通りに暮らしていても気付かないうちに省エネになります。

4.「創エネの工夫」

太陽光発電などの創エネで設備を動かすエネルギーを自ら作ります。

どこから始めてもエネルギーを外部から購入することを抑えることができます。

ですが、ここで考えたいのは、このコラムの目標である「心地よいエコな住まい」をつくるにはどうしたら良いかです。

例えば断熱が弱くても、使っているエネルギー以上の太陽光発電があればゼロエネ住宅になります。
室温も暖房設備で強引にあげれますが、断熱が弱いと床や窓、壁の表面温度が上がらないため、足元や窓際が寒いままです。

つまり省エネ住宅は心地よい家とは限りません。
省エネを考える順番が大切なのです。

心地よくエコに暮らすには、

①建築の工夫とそれに合った
②暮らし方の工夫をすることで、
「エコ+心地よさ」を実現します。さらに
③高効率設備や
④創エネ設備で
もっとエコ、さらにゼロエネを目指すことが大切です。

この順番を間違えてはいけません。

心地よさを実現するには、窓際でも不快な寒さをなくすHEAT20のG1の断熱レベルが必須です。

その上で、エネルギー消費を抑える工夫を取り入れましょう。

准教授 辻 充孝

※私のつたないスケッチではなく、イラストをたっぷり使った
「無理をしないで心地よくエコに暮らす住まいのルール」を建築知識で連載中。
全体を俯瞰しバランス感覚を身に付ける特集は、2020年10月号(第4回)。
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