室内空気中化学物質の濃度指針の改定
「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス」23頁で空気質の大切さを述べており補足情報です。
人は1日に20㎏程度もの多くの空気を体に取り込んでいます。飲食が2~3㎏程度なので10倍近い量です。空気は肺から直接血液中に取り込まれるため、人体への影響が大きいとされています。
空気質の基準のひとつが厚生労働省が設定している「室内空気中化学物質の室内濃度指針値」です。
これは公衆衛生の観点から、化学物質への不必要な暴露を低減させ、健康への危惧を起こすことなく、安全かつ、適切に使用できるように定めたものです。この指針値を超えたからといって即座に健康被害が出るものではありませんが、なるべく避けるようにしたいものです。
それが2025年1月17日付けでエチルベンゼンの指針値を3800μg/m3から370μg/m3と1/10程度に改訂されました。
厚労省のページはこちらから。
今回、改訂のあったエチルベンゼンは、接着剤や塗料に含まれています。
エチルベンゼンの有害性については、吸入暴露による人への全身影響について、暴露濃度や期間が不明瞭であったり、他の物質との混合暴露であったりと詳細が確認できないなど有害性情報としての課題はありますが、呼吸器および眼の刺激性や聴覚毒性(難聴)、血液学的変化(リンパ球数の増加、ヘモグロビン濃度の低下)が確認されています。