バウビオロギーって何?
「バウビオロギー」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
ドイツで建築を意味する「バウ(bau)」、生命を意味する「ビオ(bio)」、学問を意味する「ロゴス(logos)」を組み合わせた言葉で、日本では「建築生物学」と訳されています。
近年は集中豪雨や寒冷化、温暖化など気候変動が身近に感じられるようになり、地球環境に関心が高まっています。もちろん非常に大切な視点で「バウエコロジー」と呼ばれたりします。
ですが、もっと身近なビオ(生命)に軸足を置いて、人を包み込む建築、その先に地球環境に目を向ける「バウビオロギー」から考え始めるのも良いと思います。
バウビオロギーは大きな3本の柱「健康」、「持続可能性」、「造形」のバランスが大切とされており私も共感する考え方です。
近年注目されている環境は持続可能性の中のトリプルボトムライン(環境、社会、経済)のひとつで、
もちろんバウビオロギーの中に含まれますが、一部分で環境だけ考えていても良いバウビオロギー建築には結びつきません。
バウビオロギーではホリスティック(総合的・包括的)な考え方を基本としており、総合的な知見が大切です。
この辺りはまた別の機会に書きたいと思います。
私が初めてバウビオロギーを知ったのは、「健康な住まいへの道 バウビオロギーとバウエコロジー(ホルガー・ケーニッヒ 著、石川恒夫 訳)」(2000年3月)です。
その総合的なアプローチに魅かれて気になっていました。素晴らしい本なのですが絶版で手に入りづらくなっています。
2011年にスタートした通信教育講座 バウビオロギーBIJの一期生で申込、2年間のカリキュラムで無事卒業し、「バウビオローゲ(建築生物学者)BIJ」の資格を得ることができました。
全25冊(実質は建築法規を除いた24冊)の多様なテキストを熟読し、仕事の後に自己確認問題を解く2年間でで、幅広い知見を得ました。
このホリスティックな考え方は、私の建築の原点のひとつです。
近年、「ワンヘルス(One Health)」という言葉を聞くようになりました。ヒト、動物、環境の健康を一体として捉え、総合的に守っていく考え方で、バウビオロギーの総合的な考え方に近いものがあります。
ワンヘルスの考え方は、持続可能な開発や気候変動対策とも関連が深く、健康と生態系のバランスを保つための包括的な戦略として注目されています。