健康・持続可能性・造形(バウビオロギー)
「バウビオロギー」建築は「健康」、「持続可能性」、「造形」のバランスを取る必要があることを前回のコラムで書きました。
ではそれぞれどのような視点で考えるべきなのでしょうか。
健康
健康に関して考えるべき主要な要素を書き出してみました。
最も大切なのは、適切な室内環境を維持することです。温度・湿度はよく目にしますが、バウビオロギーでは加えて空気と電磁波にも多く言及されています。
一日に20㎏もの空気を吸い込み、肺から直接体内に取り込まれます。飲食は2~3kgなので10倍もの空気を吸い込んでいます。きれいな空気は健康にとって大切な要素です。
もう一つは電磁波環境です。家電機器や配線が増えてきた現代において、電磁波による発がん性や不眠症、さまざまな健康との研究が進められています。健康にとって良いことはあまりないでしょう。こういった将来のリスクを回避することは大切です。適切な電磁波環境を整えるのはなかなか難しいですが、アースや配線の経路など対策できることも増えてきています。
他にも音や光環境など健康をキーワードに検討すべきことはたくさんあります。
持続可能性
持続可能性は、環境、経済、社会のトリプルボトムラインを適切に考えないと持続的ではないという考え方です。
住まいにおいても、省エネ、省CO2、適切な建設コストやランニングコスト、地域共同体といった考え方のバランスを取り入れるべきです。
造形
造形は奇抜でかっこいい建築という意味ではなく、自然や人間の尺度にあった大きさやプロポーションであったり、その土地で取れる素材を活かした質感や色合いなどを大切にすることです。
日本の伝建地区に指定された古い町並みや海外の観光地は調和した建物が素晴らしい町並みを形成しています。このような地域固有の建物の美しさを目指したいものです。
このように、「健康」、「持続可能性」、「造形」の3つの視点はそれぞれ大切な視点です。
もう少し具体的にどのようなことを考えるかは「バウビオロギー 15の指針」で述べられていますので、次のコラムで見てみましょう。