バウビオロギー指針 日本版 追加私案
前回のコラムで紹介した「バウビオロギー25の指針」には
快適な室内環境、建材の選択と空間のしつらえ、空間造形と建築、持続可能な環境形成、エコ・ソーシャルな生活空間をつくる
という5つの大項目の下に5つの指針があり、どれも共感できるものばかりです。
ただ、これらはドイツのバウビオロギー研究所IBNで作成されたもので、各国の固有特性はそれぞれで考えるべきものだと考えています。
日本はドイツに比べて、次のような特徴があります。
・暖かく湿度が高いのが特徴(温暖地)で、生物が活発に活動しています。樹木の種類も多く成長も良い素晴らしい環境がありますが、一方で建物に害をなす腐朽菌やシロアリも活発です。
・地震や台風が頻繁に発生しますので、自然災害に対する備えも大切です。
・近年では、線状降水帯やゲリラ豪雨のような水害にも注意が必要です。
そこで、日本で建築をつくる際には、ドイツのバウビオロギー25の指針に加え、安心して心穏やかに暮らせるように「安全・安心で長く住み継ぐ」という指針も必要ではないかと考えています。
例えば、下記のような指針です。それぞれの中身については別の機会で紹介したいと思います。
◆安全・安心で長く住み継ぐ(日本版の追加私案)
・地震、台風に耐える性能を確保する
・水害リスクの低い立地の選定と水害に対処する工法を選択する
・火災と煙から命を守る性能を確保する
・長寿命化のための材料の選択する
・維持管理・更新が容易な工法に配慮する