心地よい温度域

ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス」231頁の最新情報の補遺「心地よい温度域」です。

231ページに心地よい温度域の目安の図を示しています。

図の修正はないのですが、絶対湿度の線を追記しました。

心地よい温度域のPDFもアップします。

 

夏期は、気温が適温でも湿度が高ければ何か蒸し暑く心地よくないことは経験されている方も多いのではないでしょうか。
一方、冬期は、暖房すると乾燥しすぎて肌がかさついたり、インフルエンザウイルスの流行と関係がありそうと聞かれた方もいるでしょう。
つまり、室温だけでは心地よさが適切に評価できません。

快適性に関しては過去たくさんの研究者の方が評価を試みられています。

代表的なものを上げてみると、
・オルゲーの生気候図
・不快指数
・エクセルギー指標
・PMV指標
があります。

 

快適性評価 PMV

この上図は、PMV予想平均温冷感申告(predicted mean vote)と呼ばれる人が感じる温冷感の指標から描いたものです。

PMVとは、人がどれくらい快適かを表す指標で、温度、湿度、放射温度、気流速、着衣量、活動量の6つの要素から算出されます。1994年に国際規格 (ISO7730) になって、世界各国で活用されている信頼できる指標です。

とは言っても、温度以外にも着衣量や活動量などの6つの要素が複雑に絡み合うため、一目でどのくらいの快適性なのか判断しにくい部分があります。

そこで、不確定要素をある程度固定して計算した値を事前に用意して温度と湿度がどの範囲に入ると心地よいか見てみます。

PMVの固定条件
・気温と放射温度は同じ値と想定
・気流速:0.15m/s(室内を想定)で固定
・着衣量:夏0.5clo(長袖シャツ&長スボン)、冬1.0clo(長スボン&ジャケット)
・活動量:1Met(着座)で固定

PMVは数値(下表)で表され0(ゼロ)が最も良い状況で中立 Neautralと言われています。それでもすべての人が満足するわけではなく、5%の人は不満足と感じる想定です。

±0.5の範囲は、ほんの少し暖かかったり、涼しかったり、変化を楽しめる範囲として「心地よい」と私がつけた表現、それ以外の表現はISO7730で規定されています。

上図の濃い範囲PMV-0.5~0.5が心地よい範囲で、この中に温湿度が入っていれば9割の方は心地よく感じます。
上下±1の範囲に入ると、25%の方(4人に1人)が不快に感じはじめ、±2の範囲では75%の方が不快に感じてしまいます。

設定で固定している着衣や活動量、通風によっては違った感じ方になることは注意が必要です。

また、高温、高湿になるとカビやダニが活発に活動します。
また、低温低湿ではインフルエンザウイルスの流行のリスクが伴います。

この範囲(目安)をプロットして追記したのが下記の快適温湿度範囲になります。

参考にした範囲は、
絶対湿度とインフルエンザウイルス流行の関係 https://www.fcg-r.co.jp/IPM_hakase/IPM-006.html
です。

※参考:天井扇(中ノッチ程度の0.3m/s)などで、常に気流感がある場合は、+0.6℃程度、扇風機や通風(1m/s)がある場合は、+1.5℃程度の範囲まで広がります。
また、0.5clo(半袖シャツ&半袖スボンおよびTシャツ&ショートパンツ)の服装の場合、それぞれの気流速度の快適性範囲が、+1℃程度の範囲まで広がります。

 

ぜんぶ絵でわかる エコハウス」に心地よいエコハウスのつくり方をまとめていますので参考にしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA