岐阜県立 森林文化アカデミー(岐阜県)
建物名 | 岐阜県立 森林文化アカデミー | 住所 | 岐阜県美濃市曽代88 |
設計者 | 北川原温(北川原温建築都市研究所) | 施工者 | - |
建築年 | 2001年 | 訪問日 | 2001年~ |
岐阜県美濃市に建つ森林文化アカデミー。
2001年に開学した専門学校。全国に数十校ある林業大学校と異なり、林業に加え、森林環境教育、木造建築、木工の専攻を持っている。
校舎は8haの敷地に地形に沿って点在し、それぞれに特徴的な構造で建てられている。
詳しくは森林文化アカデミーのHPで施設紹介や活用の様子なども確認できる。
中核となるのが、センターゾーンで、長良杉で作られた面格子が特徴である。
敷地内を流れる小川に沿って建てられ、外部、内部に面格子が見られる。
面格子は木を相欠きに組み合わせ、地震時に変形しようとしたときに木材がめり込むことで粘り強さを確保している。
ただ、木材の乾燥することで相欠き部に隙間が空くことで初期の変形が抑えられない。
そのため、黒い外壁内部には構造用合板が両面に張られ、初期剛性を確保したハイブリッド構造となっている。
空間としても面格子が光や風を通し、陰影が非常に美しい建築である。
内部は床、天井が黒く塗装されコントラストが強めな空間であるが、その分、外部の緑が鮮やかに感じられる。
構造材に集成材を使わず、材と材のうまい組み合わせによって大空間が確保されており非常に参考になる。
森の体験ゾーンは敷地の上部に位置し、隣接する33haの演習林に近い。
そのため構造形態は面格子ではなく、杉丸太を用いた立体トラスで大空間が作られている。
立体トラスと言っても、一か所に集めてボールジョイントで結ぶのではなく、接点をずらすことで木の枝のような構造である。樹状立体トラス公構造と名付けられている。
緑豊かな敷地に特徴的な木造校舎が立ち並び美しい施設群を形成している。