なら100年会館(奈良県)磯崎新設計

建物名 なら100年会館 住所 奈良県奈良市三条宮前町7-1
設計者 磯崎新 施工者 不明
建築年 1999年竣工 訪問日 2026/4/4

JR奈良駅の目の前に、突如として現れる巨大な黒い塊。

奈良市制100周年を記念して建てられた、建築家・磯崎新による「なら100年会館」。

建物の外観を間近で見ると、チャコールグレーの鈍い光沢を放つ瓦タイルがびっしりと覆っていることに驚かされる。
その数、なんと約15万枚。
磯崎氏は、奈良・平城京を海原に見立て、そこを突き進む「文化の船」をイメージしたという。先日のグランシップの造形と重なる。
特殊な曲線を描く外壁を覆うため、アールを何通りにも分けたタイルが特注されており、東大寺の屋根瓦の裏に寄進者が署名していた伝統にならい、2,155枚のタイルの裏には市民の署名が刻まれている。

館内に足を踏み入れ、特に印象に残ったのが中ホール。
通常、音響を重視するコンサートホールでは避けられるはずの「全面ガラス張り」という、まさに常識破りの設計がなされている。

帰りに「奈良市総合観光案内所」と「奈良県庁舎」にも少しだけ立ち寄った。
奈良県庁舎(片山光生設計)は、1965年に竣工したモダニズム建築の傑作だ。一階のピロティは飛鳥・奈良時代の伽藍配置を彷彿とさせ、伝統と近代が見事に融合している。
どちらの建築も、古都・奈良という重厚な歴史の文脈の中で、「新しさ」をどう定義するかという建築家たちの情熱的な問いかけに満ちていた。

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