設計活動

■森の入り口プロジェクト 「morinos」

詳しくはmorinosの建築解説ページをご覧ください。

学内に建設した森林環境教育の拠点施設「morinos」です。
基本設計は、短期集中ワークショップで学生が原案を考え、講評会で建築家・隈研吾氏と最終的な意匠原案を固めました。
この原案をもとに、構造や計画に学生がかかわりながら基本設計を行い、地元の設計事務所と協同で実施設計を取りまとめました。

令和2年度 木材利用優良施設コンクール 林野庁長官賞「morinos」2020年

■新築住宅プロジェクト「近江八幡の家」

古い町並みが残る近江八幡の中心市街地。
町並みになじむように軒高さを抑え、大きな屋根で守られた住まいです。
ウッドファイバー断熱材に外張り断熱を加え、高断熱を実現しつつ、外部からはその存在が見えません。
南の隣棟からの影を避けるように北に寄せて配置された東西に長い建物は、冬期でも日照を十分得られます。

設計内容についての解説は下記のブログも参考にしてください。

建築秘話 近江八幡の家(木造建築病理学に基づく調査・プレゼン)
続・建築秘話 近江八幡の家(基本設計から実施設計)
続々・建築秘話 近江八幡の家(着工~上棟)
続々々・建築秘話 近江八幡の家(上棟~竣工)

〇 近江八幡の家
基本設計:森林文化アカデミー 木造建築専攻(教員 辻充孝、学生 玉置健二・八代麻衣)
実施設計・監理:トヨダヤスシ建築設計事務所 豊田保之、森林文化アカデミー(教員 辻充孝、18期・19期学生)
施工:内保製材(とりまとめ 川瀬さん、棟梁 西川さん、現場監督 徳田さん、他)

■新築住宅プロジェクト 「小野の長家」

学生が関わった住宅の設計プロジェクトです。
授業が並行して進んでいる中、スケジュールを管理し、出来る範囲で設計、現場監理に関わります。
ここには「自力建設」で培った経験が活きてきます。

この住まいは、日射熱や通風、薪ストーブなどの自然エネルギーを極力活用しつつ、
心地よく暮らせるように、何度も学生と議論を重ねて計画されています。
当然、性能設計の学びを活かし、構造や温熱計算なども行い、わかりやすく住まい手に説明します。

特にこだわったのが木材です。
天然乾燥された地域材を活用し、含水率やヤング係数の計測などの木材管理に行き、
色目や節の様子を確認してこの材はこの柱にといった選木も学生と一緒に行いました。

竣工後は、学生と一緒に訪れることもあり、実際の性能がどうだったかを計測したり、
住まい心地などを聞く

機会もあります。このフィードバックが、貴重な学びとなります。

第五回 地域住宅計画賞 自立循環型住宅部門2010年(地域住宅計画推進協議会)
自立循環型住宅研究会アワード2010ゲスト審査員南雄三賞(自立循環型住宅研究会)

■道の駅プロジェクト 「美濃にわか茶屋」

この施設は地域防災拠点施設として計画した木造の準耐火建築物です。
建築をはじめ、林業、木工、環境教育の教員、在校生、卒業生、
さらには行政、設計事務所、地域工務店等、様々な人が関わったプロジェクトです。

最初に、敷地上流域の木材蓄積量等を調査し、35~60年生の特に大断面の材を選択・伐採し、
適正価格で購入することで山の管理を行う持続性のある計画をたてることにしました。

また、大断面の材を用いた燃えしろ設計によって耐火性能を確保しつつ構造材を表すことができています。
県産広葉樹の家具や美濃伝統文化の手漉き和紙による内装など、地域性を活かした建物となりました。
その上で、それらの情報を伝えるハンズオン展示型の学生が企画・運営するビジターセンターを設置しました。

市民を巻き込んだ設計ワークショップなど、長く使いたいという愛着を芽生えさせる様々な仕掛けを埋め込み見ました。

第五回木の建築賞 大賞2009年 (NPO木の建築フォラム)

■木造建築病理学に基づく改修プロジェクト 「美濃町の家」

築100年を超える町家を、木造建築病理学に基づいて改修した住まいです。断熱区画を行い、適切なゾーンを中心に改修を考えています。(岐阜県美濃市)

岐阜県美濃市は重要伝統的建造物群保存地区に指定された”うだつの町並み”という美しい町並みがあります。「美濃町の家」は、重伝建地区から道を一本隔てた通りに位置し、袖卯建と黒漆喰が特徴で、趣のある佇まいを残しています。周囲にも重伝建地区内に匹敵する立派な建物も現存しますが、改修助成や建築規制が無いため、安易に建て替えが進み、無機質な3階建の建物も目立ちます。綺麗に整えられ維持される重伝建地区と雑多な町並みとなっていく周辺地域という格差が見えてきます。
今回、重伝建地区の外縁部に、適切なコストで、使い勝手や各種性能を向上させ、当時の面影を残すひとつのモデルが完成し、工事途中や竣工後に見学会を開催するなど、地域に向けての情報発信を行った。道路側をギャラリーとして開放することも考えています。
また、技術や文化を次世代への継承することを見据え、森林文化アカデミーと東京家政大学の学生と協同で調査、改修提案を行い、壁の珪藻土塗や床塗など、住まい手も交え、地元職人の指導のもと行いました。
地域の魅力は、個々の建物だけではなく、連続している建物の表情や、そこに住む人々の活動によって育まれていくものです。「美濃町の家」が、伝建地区と周辺地区をつなぐ核となることを期待しています。

第七回地域住宅計画賞 作品部門(地域住宅計画推進協議会)2012年

■新築住宅プロジェクト 「自然と暮らす家」

住まいは単なる器ではなく、人の暮らしがあります。事故や災害が起これば、省エネや耐震に注目が集まり、基本の暮らしが欠落している視点が多く見受けられます。住まいには、どんな生活が営まれるのかがまず大事で、その理想の生活を実現するために、熱環境や省エネ、構造等の性能が必要です。
この住まいは清流長良川右岸の田園地帯に位置し、暮らしに合わせて土地との接点を多く持つ分棟配置とし、熱環境的に不利な形状ではありますが外部とのつながりを重視した建物です。断熱、日射遮蔽といった建物の基本性能を向上させつつ、暮らしやすさと心地よさ、健康に配慮し、太陽熱や光、風、薪、雨水、地下水といった地域で賄える資源を活かせる住まいとして計画しました。

第八回地域住宅計画賞 自立循環型住宅部門(地域住宅計画推進協議会)2013年

■木造建築病理学に基づく改修プロジェクト 「豊橋の家」

岐阜県徳山ダム建設にあたって愛知県に移築された民家の改修です。
木造建築病理学の調査に基づき、耐震、劣化、温熱、エネルギー、維持管理、防耐火、バリアフリーの性能を調査し、適切な改修により性能を向上させていきます。
合わせて、移築時に深く考えられていなかった配置計画を見直し、開口部等の変更を行い、心地いい環境を実現しています。
性能が確保された改修で、さらに100年以上住まい続けられることを期待してます。(愛知県豊橋市)

木造建築病理学に基づく改修

■新築賃貸住宅プロジェクト 「栗原村の賃貸実験住宅」

2棟並びの賃貸戸建て住宅を計画するにあたり、同じ間取りで異なる建物仕様の住宅を隣接させて計画し、1棟は工務店の標準仕様、もう1棟は高性能仕様として計画しました。
同じ間取りで、日照条件も同程度のため、自然状態の性能による比較ができるほか、賃貸住宅という特性上、入居者が変化した場合に家族構成や、ライフスタイルの変化を同じ建物で比較することができます。
使用材料は、建築主、工務店のこだわりで、極力自然素材を利用しています。この住まいに入居する方々も、建築主の考え方に賛同される方を対象に、建物の計画や性能をある程度理解したうえで、温熱環境や、消費エネルギー量などの実測などの協力も条件となっています。

第六回地域住宅計画賞奨励賞 自立循環型住宅部門(地域住宅計画推進協議会)2011年

■登録有形文化財改修+コンバージョン 「美濃和紙あかりアート館」

本建物は、戦争の気配が濃厚な厳しい社会情勢の中、昭和十六年に美濃町産業会館として建築された。その後、農業協同組合、商工会議所、公民館、近年では紳士服店と所有者、用途を変えながらその姿を美濃の町並みの中にとどめてきました。平成十六年には歴史ある本建物が美濃市の所有となったことをきっかけに、耐震改修+コンバージョンを行うこととなり、翌年の平成十七年、昭和初期の洋館建築の佇まいをよく残していることが評価され、国の登録有形文化財として登録されました。
本建物を耐震改修するにあたっては様々な制約がありました。元々商業的用途に用いられていたこともあり、ファサードは開口部が多く、国の登録有形文化財に登録されたことで、外観は建築当初の姿に復元することが前提となりました。そのため外壁廻りに耐力壁を新たに設けることが出来ないため、建物の内部に耐力壁を設け、外周部に地震力を流さない計画とすることで、外周部を建築当初の姿に復元することを可能としました。
内部には「美濃和紙あかりアート展」の優秀作品を常設展示する空間が必要とされたため、内部空間にはある程度まとまったボリュームが要求され、壁の量もそれほど多く入れることができないため、新設する耐力壁には高強度・高倍率の壁を設置し、それらの要求に答えることとしました。
何百年と往時の姿を今にとどめる歴史ある町並みの中で、「美濃和紙あかりアート館」として新たな命を吹き込まれた本建物が、町並みと共に、長く人々に愛されていくことを望みます。

■白鳥林工協業組合 社屋プロジェクト

長良川沿いにある白鳥林工協業組合は、製材、製品化だけではなく、林業も同時に行うことから木材の流通を明確に把握できるスタイルをとっています。
計画にあたり、山から出てくる材種、寸法を事前に調査し、それぞれの木材の特性を活かした使い方を行いました。

梁には、国産針葉樹の中でも特にヤング係数が高い唐松を二本合わせとし、積雪2.6Mで4.6Mのスパンを可能にしています。また柱は今後増えるであろう中径木から木取りした150㎜角の杉材を使用しました。この唐松と杉の門型架構を九つ連続させたトンネル状の内部にそれぞれ機能を配置しました。
耐力壁は、長良杉パネルを柱間に落とし込む構法を用い、そのまま内部仕上げになっています。
また内部の格子には安定した乾燥材が得られる桧を用い、床材は30㎜の唐松、外部デッキは腐朽に強い天然のネズコ40㎜を使用しています。大断面の取りにくい広葉樹は、ブナ、ナラ、タモをそれぞれ巾はぎパネルに加工し、家具材として使用しました。
エントランスを兼ねた用水路に掛かるブリッジは、長良杉パネルと唐松の合成梁で構成し、巾、長さ共4Mの大きなデッキとなって製材所と新社屋を結んでいます。