【章トビラ 課題5-7】計画中の建物をさらに20%断熱性能を向上するように各部位の仕様を検討してみましょう
「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス(エクスナレッジ)」の各章扉に出した課題の考え方や答えを綴るブログです。
本を手元に置いて、自分でも課題を考えてみてください。
ーーーーーーーーーーーーーー
性能向上させる目標を確認してみます。
現在の性能は、
UA値0.31W/㎡K、Q値1.25W/㎡Kと比較的高い性能になっています。
20%の性能向上なので、等級7のUA値0.26W/㎡Kを目標にします。
どこから手を付けるかの参考に損失バランスを見てみます。
開口部と外壁あたりの向上が効果的そうです。
現在の開口部はアルミ樹脂複合のトリプルガラスです。これを樹脂サッシ+トリプルガラスに変更します。
YKK430トリプルガラス(クリプトンガス10mm入り)クリアLowEをメインの開口部(引き違い窓W1690mm、H2230mm)の自己適合宣言書を確認すると、
熱貫流率U値 1.05W/㎡K です。リクシルTWの1.19W/㎡Kより、12%ほど性能が高いです。
全ての窓をこの性能に置き換えると、開口部全体の熱損失が32.36W/Kから28.55W/Kに削減され、外皮平均熱貫流率UA値は0.29W/㎡Kまで向上しました。
次に外壁の外張り断熱の厚みを増していきます。
現在はセルロースファイバーの充填断熱にフェノバボード45mmですが、フェノバボードを90mmに増してみます。
さすがに下地なしでは外装材が支えきれないので、付加断熱部の下地ありの熱橋仕様に変更(熱抵抗が0.9掛け)しています。
外壁のU値が0.22W/㎡Kから、0.15W/㎡Kに向上しました。
これで外皮平均熱貫流率UA値は、0.26W/㎡Kと断熱等級7まで向上します。
費用対効果を見ながら工事費の安い部位や、熱損失部位の大きなところから変更していくのが効率が良いです。
ーーーーーーーーーーーーーー
「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス(エクスナレッジ)」の各章扉に出した課題の考え方や答えを綴るブログです。
この連載のアーカイブはこちらから
-
前の記事
【章トビラ 課題5-6】1月下旬の最低外気温 、室温20℃の時、換気も含めた熱損失は何Wでしょう 2024.08.24
-
次の記事
【章トビラ 課題5-8】計画中の建物の日射熱制御性能ηA値(夏期、冬期)を計算してみましょう 2024.08.31