【章トビラ 課題5-9】隣地の影響を考慮してηA値を補正してみましょう

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章トビラ課題5-8で求めた日射熱制御性能ηA値(冷房期、暖房期)を隣地状況を加味して補正を行います。

省エネ基準では、周囲に何も建っていない想定で計算しています。冷房期は安全側(不利側)ですが、暖房期は日射が全方位からしっかり入る想定になってしまい、実際とは異なってしまいます。

140ページに簡易的な方法と、もう少し詳細に補正する方法を記載しました。

簡易的な方法は、立地状況を①概要シートで選択するだけです。

前回の課題5-8では「密集していない都市部」を選択していました。
結果シートを再度見てみます。各期間の4行目に補正後の値が示されています。

日射熱制御性能ηAC値(冷房期)は、1.6ですが、隣棟補正後は88%の影響として1.3
日射熱制御性能ηAH値(暖房期)は、2.5ですが、隣棟補正後は83%の影響として2.0

に減衰します。

密集している都市部に変えてみると、

日射熱制御性能ηAC値(冷房期)は、1.6ですが、隣棟補正後は59%の影響として0.9
日射熱制御性能ηAH値(暖房期)は、2.5ですが、隣棟補正後は58%の影響として1.3

まで減衰します。
冷房期は有利になっていきますが、暖房期は日射熱取得が大きく減るため、暖房設備で補う影響が増すことになります。

より詳細に計算する場合は、⑩日射取得計算シートの右のほう(AB列以降)の拡張計算のところに隣棟までの距離Lxと高さLyを各窓(まど影響が大きいため)に対して入力していきます。

例えば、
1番目の窓は3m離れたところに6mの建物が迫っているとすると、隣棟遮蔽によって50%の日射が阻害されています。(隣棟遮蔽係数0.50)
2番目の窓は3m離れたところに3mの建物が迫っているとすると、隣棟遮蔽によって22%の日射が阻害されています。(隣棟遮蔽係数0.78)

これらの影響を加味した結果は、ずっと下のほう(156行目)に計算結果が表示されています。
上記2つの窓の隣棟遮蔽の影響で、冷房期1.2、暖房期2.4まで日射熱取得が下がっています。

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