【章トビラ 課題5-12】屋根と外壁の冬型内部結露の防露計算(透湿比抵抗か定常計算)をしてみましょう

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本を手元に置いて、自分でも課題を考えてみてください。
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屋根と外壁の冬型内部結露計算を「環境デザインサポートツール」で計算してみます。(定常計算)

屋根の構成を確認します。

室内側に構造用合板を張って、気密層と防湿層を確保しています。

「環境デザインサポートツール」に入力していきます。
通気層にが外気が入りますので、通気層までの入力となります。
今回の計画地を美濃市として地域区分を5地域としました。
外気温が6地域より寒くなるためより厳しくなります。

今回の屋根構成では結露リスクが少ない結果となりました。

当然、施工精度がしっかりしているという条件です。

次に外壁の防露判定です。

外壁の中間に構造用合板が入り気密層と防湿層がとられています。外張り断熱のフェノバボードによって、この構造用合板の温度が下がらないように工夫しています。

外壁は防露しない結果(下図)ですが、構造用合板部分で相対湿度が93%と少し高めに出ています。
これは、セルロースファイバー90mmの充填断熱によって構造用合板の温度が下がり、室内のPBでは湿気流入を止めきれないために起こっている状況です。

ただ、セルロースファイバーは調湿効果が大きいため、時間変化も加味した非定常計算ではここまで厳しい結果にはなりません。(5地域の場合)

結露の種類を夏型結露に切り替えると、夏の状況も確認できます。

ただし、「環境デザインサポートツール」は定常計算(常に温湿度が一定)のため、夏型結露は参考程度にしか見れませんので、ご注意ください。

屋根の夏は、結露判定が出てしまっています。
これもセルロースファイバーの調湿性能によって非定常計算では安全が確認できました。
定常計算でもOKにする場合は、防湿層を断熱材の中央部くらいに設定できるとクリアします。

外壁は定常計算でも夏型結露リスクは低い結果となりました。
防湿層(構造用合板)が断熱材の内部にり、夏と冬に大きな温度変化がないのが大きな要因です。

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