【章トビラ 課題6-14】要素別に建物性能と設備に合わせた省エネな暮らし方のアドバイスを考えてみましょう
「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス(エクスナレッジ)」の各章扉に出した課題の考え方や答えを綴るブログです。
本を手元に置いて、自分でも課題を考えてみてください。
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【章トビラ 課題6-4】で計算した高性能な建物の暮らし方のアドバイスを考えてみます。
このようなときは、要素別(暖房、冷房、換気、給湯、照明、家電、調理の7つ)に考えると、具体的な暮らし方のアドバイスが見えてきます。
暖房
断熱性能はUA値0.31W/㎡K(等級6)とかなり高断熱化されていますので、13℃を下回る機会は少ないと考えられます。(99ページ)ただし、日射が普通に入ってきたという条件なので、休日などで在宅の場合は、カーテンなどを開けて日射を取得できるように暮らしましょう。逆に夜は断熱強化のためにカーテンなどを閉めて窓からの熱の逃げを防ぎます。
それでも、曇りの日が続いたりして寒さを感じるようであれば、暖房設備の出番です。
今回は高性能なエアコン(い区分)が設置されていますので、普通に使用しても省エネですが、ここで一工夫。
省エネのためには、あまり高温設定にせず、着衣などで工夫も有効です。
また、フィルター掃除も有効ですので、まめにチェックしましょう。
部屋の上部に暖気がたまりがちですので、サーキュレーターなどで撹拌するのも効果的です。
冷房
冷房は高断熱住宅にとっては要注意です。というのも、熱が入ってしまうと保温してしまうからです。ですが、逆に考えると、冷気も保温してくれます。
そのため、夏は日射遮蔽をしっかりして日射熱を入れないことがなにより大切です。特に外部で遮蔽するのが効果的なので、すだれなどを吊ってみましょう。(87ページ)
ただ、室温を下げる要素はほとんどなく、室内には発熱要素(人体や家電、照明など)はたくさんあります。
そのため、外気温より室温が暑くなるのが普通です。(夜間の蓄冷などを保温するなどで外気より涼しい時間帯はあります)そのため、温暖化の進んだ日本では冷房設備は必須と言えるでしょう。
冷房設備はほぼエアコン一択です。暖房と同じように使い方のコツを見ていきましょう。
高断熱+日射遮蔽の住宅では連続運転でもそれほどエネルギーはかかりません。不快な時期は連続運転もよいでしょう。
着衣での調整やフィルター掃除、扇風機の併用で設定室温を抑えることも有効です。
冷房で注意点は湿度です。外気の湿度が高いときは窓を閉めて過剰な湿気流入を抑えましょう。とはいっても、24時間換気によって、結構な量の水蒸気が入ってきます。(164ページ)
除湿はエアコンが効率が良いのですが、梅雨時はそこまで暑くなく、設定室温になると冷房は止まってしまい除湿できなくなります。除湿モードだと寒くなりすぎる・・・メーカーで再熱除湿機能は入った機種もありますが少しエネルギーが多め。(187ページ)日射を入れるなど加温しながら冷房して連続運転で除湿できる工夫などを考えてみましょう。
換気
24時間換気は基本的に動かしっぱなしです。居室でない部屋は少し絞ることもアリでしょう。
24時間換気の省エネはフィルターやダクトの掃除です。結構汚れていた場合は掃除で、倍以上の効率に上がる場合もあります。
局所換気は必要な場所と時間、風量で動いていればいいだけなので、消し忘れに注意しましょう。
給湯
給湯は温暖地で多く使用するエネルギー用途です。
必要ない温水は使わないように注意しましょう。近年は水優先吐水なので、真ん中でレバー操作しても水しか出ませんが、少し左に寄ったまま操作すると、給湯機が着火して必要ないのに温水を出し始めてしまいます。また、食器や体を洗っているときは、お湯を止めることも効果的です。
お風呂は家族が続けて入って、足し湯や追い炊きを抑えるのも効果的ですし、風呂ふたを閉めるのも断熱浴槽以上に効果があります。
照明
照明は、ほぼすべてLED化されて、知らない間に省エネになっています。
ただ、必要ない場所の照明がついていると無駄なエネルギーですので消し忘れに注意します。消し忘れが多い場所は、後付けの人感センサーなどもありますので検討してみてもよいでしょう。
家電
家電のエネルギー消費量の多い用途です。
特に、冷蔵庫、暖房便座、テレビで2/3を占めます。(195ページ)買い替えを検討する際は省エネ機器を選択しましょう。
冷蔵庫は扉の開け閉めは最低限に、テレビも見ていないのにつけっぱなしはやめましょう。暖房便座も便座カバーを閉めることでエネルギーを抑えられます。(特に瞬間式でない暖房便座)
ほかにもこまごまと対策は考えられます。基本は使用時間を短く、効率よく運転できることを考えます。
調理
調理は好きな人ほど多くなる用途です。外食が多いと調理エネルギーはかかりませんが出費は増えてしまいます。
調理エネルギーはコンロの熱利用が多くを閉めますので、保温調理を活用したり、お湯を沸かすときは効率の良い給湯機のお湯を使うなどの工夫をします。
近年、高断熱住宅が増えてきて、特に暖房と冷房に関してこれまでの暮らし方では心地よく住みにくい状況も発生しています。
うまく住みこなすと、とても心地よいものです。
国土交通省も家の性能と暮らし方の組み合わせが気になったのか、高性能住宅をうまく住みこなすガイドブックを今年、発行しています。参考にしてみてください。
https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001218.html
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