【章トビラ 課題7-1】既存建物の温熱性能を予測してみましょう

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本を手元に置いて、自分でも課題を考えてみてください。
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既存建物の温熱性能を予測してみましょう。

予測方法はP217の通り4つです。できれば、しっかり調査して方法2で計算できると良いです。

方法1.設計図書による推察(実際の工事と異なることがあるため注意)

方法2.目視確認による詳細調査から計算で求める

方法3.実測による把握(P228-229)

方法4.建設年ごとの出荷統計・実態調査から推計(P217)

今回は自宅の改修前の状態を方法2で評価しています。

築150年の古民家です。
室内は複合フローリングや天井の合板など手が入っています。

小屋裏に入ると、古い針の上に新たに小屋がかけられています。
断熱材はありません。

床下は玉石基礎から束建てで大引きを支えています。
こちらも断熱はありません。

外壁も同様に断熱材はなく、一部土壁があります。
開口部はアルミサッシのシングルガラスです。

図面を起こし、面積を計算して、環境デザインサポートツールに入力すると性能が分かります。

外皮平均熱貫流率UA値は3.47W/㎡Kです。
この地域の省エネ基準は0.87W/㎡Kですので4倍近く熱が逃げやすい性能です。
無断熱の古い建物はおおむねこの程度の性能です。

部位面積と熱損失割合を見ると、屋根から半分近い熱損失(46%)があることが分かります。
次いで外壁21%、開口部19%です。

日射熱取得率ηA値は、夏期は8.9と省エネ基準の3.0(5地域)の3倍近い熱が入ってきます。

熱は屋根からが半分以上の熱侵入(62%)を占めます。
次いで南の開口部(17%)です。

一方冬期は11.7とかなりの日射取得があります。
こちらも屋根が最も多く、半分近い熱侵入(47%)です。
次いで南の開口部が夏期に比べてかなり大きく(35%)なっています。

このように、既存状態の温熱性能の弱点が分かると、改修の要点が見えてきます。

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