【章トビラ 課題7-7】改修後の温湿度を測定し心地よい温度域で暮らしているか確認しましょう
「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス(エクスナレッジ)」の各章扉に出した課題の考え方や答えを綴るブログです。
本を手元に置いて、自分でも課題を考えてみてください。
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我が家は実験的に、わざと断熱の弱い部分を残して改修しています。
特に弱点として、
・開口部を既存のアルミサッシ+シングルガラスのまま。(日射取得の実験)
・屋根をウール45㎜断熱と薄い状態(夏期放射熱の体感への影響の実験)
です。
そのため、屋根と開口部から75%の熱損失になっています。
ぎりぎり省エネ基準程度ですが、それでも改修前から比べれば4倍近く断熱性能が向上しています。
参考にならない部分もありますが、改修した我が家の実測データを紹介します。
冬期は実験用に残したシングルガラスからの日射取得を検証しています。
日中は、網戸を外し、窓ふきを行い日射取得を増加させています。
夜間はダブルハニカムブラインドで断熱強化しています。
ハニカムブラインドは手軽に断熱強化できますが、熱を遮断しつつ湿気は通してしまいますので結露リスクが増します。
そこで、薪ストーブを設置して放射熱による熱供給を行いました。
冬期の実測ですが、日中は南の開口部からの日射取得で室温が上がっています。
特に縁側では30℃を超える室温までになっています。
夕方以降は薪ストーブが活躍しています。
放射熱なので、そこまで室温を上げなくても心地よく暮らせています。
これで露点温度を上げ開口部での結露を防いでいます。
一方、夜間の縁側の温度低下が激しいのは、床を無断熱で残したからです。(表面温度の体感用)
さすがに冷たすぎたので、翌春は床下から断熱施工を行いました。
夏期の実測です。
まずは、開口部からの熱流入をなくすためにしっかりと日射遮蔽することが大切です。
できれば開口部から離して遮蔽部材をつけると、遮蔽物が高温になっても室内への熱流入を減らせます。
今回はすだれを設置しています。これで8割以上の日射をカットできる想定です。
網戸を戻し、気持ちい外気温の時は通風を確保しますが、風がない時や暑い時は天井扇で室内空気の循環を行います。
気流間を感じることができれば30℃程度であれば、比較的暮らしやすいです。(個人差あり)
屋根断熱を薄くした効果は、天井面温度が40℃を超えても、天井が高いためあまり感じられません。
距離が離れると一気に放射熱が弱まるからです。
ですが、ロフトに上がると、異常な暑さを体感できます。天井断熱は、室内環境と冬期の熱損失のためにもしっかり断熱を施すべきです。
さて夏期の実測結果です。
この時は冷房をつけていないので、外気温と同じような動きをしています。
内部発熱があるため、室内の方が気温が高くなっています。
ですが、日中に急に上昇しているポイントがないため日射遮蔽が効いています。
最も涼しかったのは、シングルガラスと床無断熱の縁側でした。熱損失が大きいため外気に熱が逃げていったためです。
このように温湿度を実測することで、効果が分かります。
設計段階での予測をふまえて考察すると、設計の力が向上していきます。
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