現地で答え合わせ(心地よいエコハウスのつくり方8)
予習が終わったら、現地に行って答え合わせをします。
ネット上からは読み取れない雰囲気や景色の情報が手に入ります。
ここでも意識したいのが敷地の持ち味を活かせるポジティブ要素です。
特に日当たりや緑、視線の抜けは設計するうえでの大きなキー要素になります。
また周囲の街並みは外観デザインの手がかりになったり、敷地の高低差もうまく活用すれば、その立地ならではの設計につながります。
現地調査では、自ら体感・確認したり、近隣の方からの聞き取りで情報を整理します。
現地調査で読み取りたいのは主に3つの視点です。
①景観
見通しの良さ・眺望、・土地形態(斜面地や高台など)、高低差、樹木、特徴的な建築物など
②自然
日当たり(隣棟や樹木の影響も確認)、風向き(近隣の方の聞き取りも重要)、植生(自生種や周辺に多い樹木、同定ができると効果的)、土壌など
③人文
街並み(高さ、色、外構の特徴)、素材(木材、瓦、石、土など)、歴史・文化的な行事・特徴、交通手段など
近年はスマホツールで、太陽軌道を確認できたり、高さを計測出来たりと便利なアプリも登場していますので活用しましょう。
ネガティブ要素にも注意する
隣家の窓や設備など、周辺のネガティブ要素も確認しておきます。
散歩の人が多い地域だと、道からの視線にも気を配ります。
建物や窓の配置、建物形状、外構のつくり方などで、ネガティブな不快要素をなるべくかわして計画しないと、せっかくの日射を取り込む窓を計画してもカーテンが閉まりっぱなしになってしまいます。
また、自分の家が周辺に与えるネガティブ要素も忘れてはいけません。
太陽光発電をたっぷり載せるために南傾斜の片流れを採用すると、北側が高くなってしまい北隣の方の南庭が日影になってしまいます。
住まい手は、数十年とこの場所に住むことになりますので、お互い良い関係を築けるようにお互いの距離感にも配慮しましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーこの連載は全30回の予定で、月、水、金の20時の更新を予定
「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス(エクスナレッジ)」のエッセンスを抜き出した連載ブログです。
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