【章トビラ 課題2-3】計画地の風向、風速を調べてみましょう

ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス(エクスナレッジ)」の各章扉に出した課題の考え方や答えを綴るブログです。
本を手元に置いて、自分でも課題を考えてみてください。
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岐阜県立 森林文化アカデミーのある美濃市の風向、風速データを調べてみます。

風向・風速データの入手先は31ページにまとめてあります。今回は、自立循環型住宅の気象データ(38ページ)と、建築設計用気象データ(40ページ)を紹介します。

自立循環型住宅の気象データ

1.自立循環型住宅HPにアクセスします。

左のメニューの「技術情報」に入ります。

2.「技術情報」の中から「気象データ」に入ります。

3.都道府県ごとの選択画面になりますので、今回は岐阜県を選択すると、岐阜県の気象観測所の一覧が表示されます。
美濃市をクリックすると、美濃の気象データを見ることができます。

4.美濃の気象データを読み込みます。(画像の添付はナシです。実際にアクセスしてみて下さい。)

38ページの例を参考に読み取ると、
終日平均風速は1.6m/sと扱いやすい風速です。起居時1.5m/s、就寝時1.7m/sと日中と夜間の差も少なく、上手く通風経路を確保したいところです。

風向は起居時は南北に多く風が吹き、初夏や残暑の季節は北北東の風が特に優勢です。夜間は北北西が大半を占めています。

開口部の計画では、夏場の夜間の外気冷房を意識するなら北面に設けるのが効果がありそうです。初夏や残暑の時期は南北通風がしやすい開口部配置が良さそうです。

ですが、風は障害物ですぐに曲がってしまいますので、立地を読み込むことは忘れずに。

建築設計用気象データ

1.建築設計用気象データにアクセスします。
自立循環型住宅の「技術情報」のページからもアクセスできます。

2.建物名・住所に「森林文化アカデミー」と入力して検索します。(住所でも検索できます)

地図上でも位置を確認できますので、見たい場所がOKであれば「この場所の建築設計用気象データを作成する」をクリックします。

3.建築設計用気象データが作成され表示されます。
気温や降水量など、ピンポイントの気象データが確認できます。
少し下にスクロールすると風向・風速データが見れます。

風速は、9月に1.5m/s、10月に1.7m/sくらいです。夏期は風速が少し弱めで、1.3m/s程度、秋から冬は1.8m/s程度と少し強くなります。寒さ対策で気密性能は高めた方が良いでしょう。

風向は凡例の月をクリックすると、表示、非表示を切り替えられます。下図は9月と10月だけ表示ています。
風向は北北東の風が優勢であることがわかります。

少し下部に、3カ月ごとの風向も確認できます。

4.起居時や就寝時のデータを確認したい場合は、データを加工する必要があります。
一番下までスクロールするとCSV形式でダウンロードできるボタンが出てきます。

1時間ごとのデータに出力されたCSV形式のデータが手に入ります。1時間×24時間×364日=8760時間分の膨大なデータです。

一からこのデータを処理するのは大変です。私が作成した分析用のエクセルを使ってみましょう。

5.「建築設計用気象データ分析シート」をダウンロードして使う。
本HPのダウンロードページから、「建築設計用気象データ分析シート」のエクセルをダウンロードできます。

6.気象データを分析する。

エクセルを起動すると基本情報のシートに使い方が書かれています。
それに従って森林文化アカデミーのダウンロードした気象データCSVをコピペします。

レポートのシートに各種の整理されたデータが表示されます。

7.今回は風向・風速の分析をしたいので少し下にスクロールすると風のデータが確認できます。

8.風向・風速のレポートを読み解きます。

冬から夏にかけては就寝時の方が風速が弱めですが、秋は起居時とほぼ同じくらいになります。(9月だと1.5m/s程度)
風向きを見ると夏の日中の起居時は南南西の風が優勢であるが、就寝時は北北西の風が優勢になる。夜間通風で室の冷却を検討するなら北側に取り込み用の窓が有効そうです。
春の日中は南南西、秋の日中は北北西の風が優勢になっています。

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