【章トビラ 課題2-4】比較する地点を定め、計画地の気候の特徴を説明してみましょう。特に気温、日照、降水量、風のそれぞれに着目してポジティブ要素を見つけましょう
「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス(エクスナレッジ)」の各章扉に出した課題の考え方や答えを綴るブログです。
本を手元に置いて、自分でも課題を考えてみてください。
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岐阜県立 森林文化アカデミーのある美濃市と東京の気象観測所を比較して、気温、日照、降水量、風を考えてみます。
今回は、建築設計用気象データを用いて、私の分析ツールで情報を確認します。
やり方は、「【章トビラ 課題2-3】計画地の風向、風速を調べてみましょう」を参照してください。
気温の比較
美濃市(実践)と東京(グレー点線)の平均、日最高、日最低気温を見てみます。
冬期は1~2℃ほど低温になっているが、最低気温も少し氷点下に入ったぐらい。
断熱を強化して晴れた日だと寒さの中にぽかぽかした陽気が感じられる贅沢な時間が得られそうである。
昼夜の寒暖差は東京とほぼ同じで10℃くらいと大きくはなく標準的な過ごしやすさである。
夏も同様の傾向であり、最高気温は少し低めで、最低気温は同程度である。
30℃を超える日中のため日射遮蔽は必須で対応する必要があるが、明け方には24℃以下の涼しい外気が待っている。夜間からの外気冷房などをうまく活用できれば涼しい朝を迎えられそうである。
日照の比較
冬期の日射量は東京よりやや少なめであるが、それでも300MJ/m2もあるため、うまく活用したいところである。
日中の水平面日射強度は400W/m2を超えるため、冬期の日射熱取得率を高めに計画できれば無暖房でも過ごせそうである。
夏期は、東京より日射量が少な目で、日射強度も600W/m2も行かない程度で比較的緩やかである。とはいっても外気温の暑さと相まって冷房は必須になってくる。そのため、日射遮蔽をしっかり対策しつつ、冷房を適度にかけることで過ごしやすい室内が出来上がりそうである。
降水量の比較
降水量はすべての月で東京より多く、冬期、夏期は2倍程度の降水量がある。
雨水利用するには効果的な土地柄で、特に夏の多さは、家庭菜園などの下洗いを計画する時には有効に効きそうである。
9月の降水量を多さは台風の頻度も影響するため強風対策も忘れずに行いたいところ。
風の比較
風速は1年を通して穏やかな状況である。
春や秋は日中、夏は夜間の通風が考えられるが、昼夜の変化も少なく、扱いやすい風の強さである。
春頃の起居時の風向を見ると、南からの風が優勢である。これは東京も同じ傾向である。
日中の窓開けは南の取り込み口が有効そうである。
夏期夜間の風向を見ると、北の風がほとんどで、北からの風を取り込み他方位に抜く計画ができると外気冷房や通風がうまく機能しそうである。
今回は、建築設計用気象データを私の分析ツールで比較しながら見てきたが、同じ温暖地であっても、意外と傾向が異なるところがあり面白い。
皆さんの実家の地点との比較など、いろいろ試して気象の特徴を整理してみましょう。
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