4種類の窓の熱貫流率U値の求め方
「ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス」84頁で窓の熱貫流率U値の求め方を4種類紹介していますが、紙面の都合で、簡易計算と自己適合宣言書しか紹介できていませんので残り2つを紹介します。
窓の熱貫流率U値の求め方には4つの方法があります。これは書籍で紹介した通りです。
1.表から求める方法
2.簡易計算で求める方法(84ページ)
3.ポータルサイトから求める方法
4.メーカーの自己適合宣言書から求める方法(88ページ)
良く使用される2の簡易計算と最も詳細な4の自己適合宣言書は書籍をご覧ください。
書籍のサンプルで用いた「樹脂サッシ+Low-E(G12)」のU値を求めてみます。
1.表から求める方法
表から求める方法は、断熱建材協議会や日本サッシ協会が整理して一覧にしたものを使用する方法です。
計算も必要ありませんので最も簡単に窓のU値を求めることができます。
どちらでも同等の内容ですが、まずは断熱建材協議会の表も確認してみます。
上部メニューバーの「部位別熱貫流率表」から入ります。
「建具とガラスの組合せによる開口部(窓・ドア)の熱貫流率表」の窓を表示してみます。
今回の仕様である「樹脂製建具」「複層ガラス」「Low-Eガラス」「ガスの封入あり」「中空層10mm以上」「付属物なし」を見ていくと、熱貫流率U値は2.15W/m2Kと求まります。
その中から資料番号23-0301「わかりやすいサッシ・ドアの性能」-「住宅・建築物の省エネルギー基準の概要 BASIS追補版」(改訂4版)」が分かりやすいです。
14ページから、建具とガラスの組み合わせの表が掲載されています。
その中(15ページ)から今回の仕様である「樹脂製建具」「複層ガラス」「Low-Eガラス」「ガスの封入あり」「中空層10mm以上」「付属物なし」を見ていくと、同様に熱貫流率U値は2.15W/m2Kと求まります。
3.ポータルサイトから求める方法
ポータルサイトから求める方法は、住宅性能評価表示協会やリビングアメニティ協会があります。
住宅性能評価表示協会は、さまざまな情報をデータベースとして整理しているので便利です。メーカーの自己適合宣言書のページにたどり着くこともできます。
トップページの「温熱・省エネ設備機器等のポータル」に入ります。
「一覧へ」というボタンから検索画面に入っていきます。「躯体の外皮性能等」から「開口部(仕様に基づく)」や「開口部(計算および測定に基づく)」(こちらが自己適合宣言書)などで検索をかけることができます。
あとは表示から各メーカーのページに飛んで性能を確認するだけです。
次にリビングアメニティ協会の「Windeye」で性能を確認してみます。
これは、各メーカーの仕様や形状を入力することでWEB上で計算を行えるツールです。
トップページにある「開口部の熱性能評価プログラム WindEye」をクリックします。
窓とガラス中央部、ドアの計算ができるツールがあります。
今回は窓の熱性能評価の「WindEye」を使用します。
あとは、メーカーやフレーム、ガラス、サイズなどを入力していくと計算が可能です。
入力は少し面倒ですが、窓サイズによってガラスとフレームの面積割合が異なり性能も異なってきます。窓サイズごとに、計算するので、精度よく計算できます。
例えば、YKK AP APW330の樹脂フレームにLow-Eペア(G12)を用いた場合の計算です。
窓サイズを750×750の場合、熱貫流率U値は1.56W/m2Kとなります。
窓サイズを500×500の場合、熱貫流率U値は1.64W/m2Kと少し下がってしまいます。
窓が小さくなり断熱の劣るフレームの割合が増加したためです。
窓の窓の熱貫流率U値の4つの方法比較
1.表から求める方法
U値 2.15W/m2K
2.簡易計算で求める方法(84ページ参照)
U値 2.09W/m2K
3.ポータルサイトから求める方法
U値 1.56W/m2K
4.自己適合宣言書から求める方法(88ページ参照)
U値 1.38W/m2K(YKK AP APW330 Low-E(G12)の場合)
となり、自己適合宣言書から求める数値が、高い結果となりました。
ただ、方法3はサイズによって性能が異なるので注意が必要です。