プロフィール
辻 充孝 TSUJI Mitsutaka
岐阜県立森林文化アカデミー 教授・一級建築士・バウビオローゲBIJ
経歴
モノづくりと化学が好きで、高校では理系に進み、美術部に所属。絵を描いたり、彫刻をしたりといろいろ活動したが、自己満足感が強いアートではなく、人のためのデザインを目指そうと決意。
いろいろあるデザインの中でも、地元にある重源プロデュースの浄土寺浄土堂の時間と共に変化する計算された美しさに惚れ建築を目指す。
自らの個性をさらに伸ばすため、工学部ではなく芸術学部の建築学科に進学。そこで出会った三澤文子氏に師事し木造住宅の世界に。この出会いで、単に建物だけでなく、暮らしをデザインすることを学ぶ。
卒業後は、三澤氏のMs建築設計事務所に勤務し、木造住宅の設計のかたわら、システム化住宅のマニュアル、構造金物の開発などに携わり、社会人学校MOKスクールの立ち上げ、運営に関わる。
森林文化アカデミー設立主旨に賛同し、三澤文子氏とともに、開学時から森林文化アカデミーへ。
経歴や個性がさまざまで、いろいろな面で秀でる学生と、自らも学びながら試行錯誤の毎日をおくる。
1992年3月 兵庫県立小野高等学校 普通科(理系) 卒業
1996年3月 大阪芸術大学芸術学部建築学科 卒業
1996年4月~2001年3月 Ms建築設計事務所
2001年4月 岐阜県立森林文化アカデミー 助手(助教)
2006年4月 岐阜県立森林文化アカデミー 講師
2013年4月 岐阜県立森林文化アカデミー 准教授
2022年4月 岐阜県立森林文化アカデミー 教授
(経歴のエピソードをアカデミーHP20周年記念インタビュー記事で公開しています!)
専門分野への思い
住まいは器ではなく、人の暮らしがある。
事故や災害が起これば、省エネや耐震ばかりに目がいって、基本の暮らしが欠落している視点が多い。住まいには、どんな生活がそこで営まれるのかがまず大事で、その理想とする生活を実現するために、構造や温熱環境、省エネなどの性能が必要である。
私の目指す設計スタイルは、インフォームド・チョイス(情報提供と選択)。
プ ロの視点で、最低限必要を思われる性能を確保したうえで、生活スタイルや、心地よさ、デザインも含めて、各種性能(構造、温熱、エネルギー、空気質、耐久 性、防火、防音、光熱費など)を提案し、住まい手自らが判断・選択できるわかりやすい情報を伝える。もちろんの将来の変化も一緒に考える。
良い暮らしをつくるには、幅広い視点と知識、技術が必要。一人では、とうてい考えきれない。
森林文化アカデミーには、考え方の根っこが同じ仲間(教職員、学生)がたくさんいる。卒業生はすでにトップランナーとして全国で活躍中である。
私にできることは、木造の設計や温熱環境、省エネ、それだけでは住まい手が望む暮らしの提案はできない。そんな時、それぞれの専門家が集まって知恵を出し合う。そんなチームの一員でありたい。
受賞歴
- 第1回 SDGs建築賞 (一財)住宅・建築SDGs推進センター理事長賞 中・小規模建築部門 2023年
- 第17回 木の建築賞( ムクファースト崇秀記念賞 ) 2023年
- ウッドデザイン賞2021「morinos」ハートフルデザイン部門 建築・空間分野 2021年
- 令和2年度 木材利用優良施設コンクール 林野庁長官賞「morinos」2020年
- ウッドデザイン賞2016 「自力建設プロジェクト」(ウッドデザイン賞運営事務局)2016年
- 日本エコハウス大賞2015リフォーム特別賞「風景を残し小さく豊かに暮らす実験住宅」(エクスナレッジ)2015年
- 建築研究所すまいづくり表彰 地域住宅奨励賞「カミノハウス」(建築研究所)2015年
- 第八回地域住宅計画賞 自立循環型住宅部門「自然と暮らす家」(地域住宅計画推進協議会)2013年
- 第七回地域住宅計画賞 作品部門「美濃町の家」(地域住宅計画推進協議会)2012年
- 第六回地域住宅計画賞奨励賞 自立循環型住宅部門「栗原村の賃貸実験住宅」(地域住宅計画推進協議会)2011年
- 第五回地域住宅計画賞 自立循環型住宅部門「小野の長家」(地域住宅計画推進協議会)2010年
- 自立循環型住宅研究会アワード2010ゲスト審査員賞(南雄三)「小野の長家]2010年
- 第五回木の建築賞 大賞「道の駅 美濃にわか茶屋」(NPO木の建築フォラム)2009年
- 第一回自立循環型住宅研究会アワード 銀賞「住宅のエネルギー性能評価ツールの開発」(自立循環型住宅研究会)2008年
肩書き
- スマートウェルネス住宅等推進調査委員
- 高知県立林業大学校 非常勤講師
- 日本セルロースファイバー断熱施工協会 顧問
- 岐阜県立看護大学 非常勤講師
- 自立循環型住宅プログラムWG
- 岐阜市畜産センター公園再整備検討協議会委員
- 関市景観審議会委員
- 御嵩町新庁舎等建設アドバイザー
資格
- 一級建築士(国土交通大臣)
- バウビオローゲBIJ [Baubiologe] (BIJ)
- 気密測定技能者(住宅・建築SDGs推進センター)
- CASBEE 評価員[建築、戸建](住宅・建築SDGs推進センター)
- CASBEE 不動産評価員(住宅・建築SDGs推進センター)
- CASBEE ウェルネスオフィス評価員(住宅・建築SDGs推進センター)
- 自立循環型住宅 講師資格[温暖地版・準寒冷地版・蒸暑地版・改修版](住宅・建築SDGs推進センター)
- ウッドマイルズ関連指標算出技術者(ウッドマイルズ研究会)
- リノベーションコーディネーター(リノベーション協議会)
- 福祉住環境コーディネーター2級(東京商工会議所)
- 省エネ・脱炭素エキスパート検定[ビル分野][家庭分野](省エネルギーセンター)
- 既存住宅状況調査技術者(日本木造住宅産業協会)
- 専門住環境測定士(住環境測定協会)
- 岐阜県被災建築物応急危険度判定士(岐阜県)
- 健康住宅スペシャリスト温熱環境、光視環境、音振動環境(日本健康住宅協会)
- シックハウス診断士(日本環境保健機構)
- 雨漏り診断士(雨漏り診断士協会)
- 住宅省エネルギー技術者講習 地域リーダー[設計技術](木を活かす建築推進協議会)
- CAD利用技術者1級(JPSA)
- Autodesk Master 2D Design(Autodesk)
作品
・morinos 森林総合教育センター森林文化アカデミー学内に建設した森の入り口
・カミノハウス築140年の古民家改修と暮らし方によるエネルギー消費の削減
・近江八幡の家景観形成地区内の個人住宅プロジェクト
・道の駅 美濃にわか茶屋イ準耐火構造の木造公共施設
・小野の長家住宅地に建つパッシブデザインの新築住宅
・栗原村の賃貸実験住宅同じ間取りで性能が異なる2棟の賃貸実験住宅
・美濃町の家木造建築病理学に基づく改修
・自然と暮らす家暮らしにあった自然エネルギー利用を活かした新築住宅
・豊橋の家ダム建設によって移築された後の改修計画
著書
・全部絵でわかる7エコハウス(エクスナレッジ)【単著】
・専門誌 掲載一覧
・建築知識 連載「無理しないで心地よくエコに暮らす住まいのルール」【連載】
・断熱・気密・換気・空調Q&A(エクスナレッジ)【共著】
・最もくわしい屋根・小屋組の図鑑(エクスナレッジ)【共著】・改訂版【共著】
・建築士技術研修テキスト 建築環境編(公益社団法人 建築士会連合会)【共著】
・建築士技術研修テキスト 戸建て住宅設計編(公益社団法人 建築士会連合会)【共著】
・自立循環型住宅 設計実例vol.1(建築環境・省エネルギー機構)【共著】
・木の家リフォームを勉強する本(農文協)【共著】
・最高のリフォームをデザインする方法(エクスナレッジ)【共著】
・省エネ・エコ住宅設計究極マニュアル(エクスナレッジ)【共著】・増補改訂版【共著】
・和の小住宅2(ワールドフォトプレス)【共著】
・既存建築物の耐震改修デザイン(日本建築学会)【共著】
・木の家に住むことを勉強する本(農文協)【共著】
寄稿記事
・WORLD FOREST NEWS3 意外と知らない?火災に強い木造建築 2020.7.23
講演・セミナー
出演
- コメンテーターとして NHK総合
「サキどり ~暮らしが変わる!?省エネ住宅最前線」
(2016年6月5日放映)
論文
研究