ぜんぶ絵でわかる エコハウス

ぜんぶ絵でわかる エコハウス

みなさんは「エコハウス」と聞くと、どんな家を想像しますか。
ここで扱うエコハウスは、エネルギーをほとんど使わず、初夏には気持ちの良い風が流れ、冬はポカポカした陽気が感じられる住まいです。
つまり、高断熱・高気密で室内環境がコントロールされた閉鎖的な省エネ住宅ではなく、季節や時間によって開いたり閉じたりする自然に素直な「心地よいエコハウス」です。
心地よさは、暖かい空間(性能)だけではなく、好みのデザイン(意匠)や適切な収納量(計画)、仲の良い家族との距離感(雰囲気)などさまざまな要因でできています。
性能だけ、あるいは意匠だけにこだわっても心地よい住まいは実現できません。全体のバランスが大切なのです。
本書では、心地よいエコハウスのなかでも特に大切な温熱環境と省エネ設備を中心に、設計手順と手法を紹介します。
どの項目からでも読み進めることができるので、気になる項目から実践にお役立てください。

定価 2,500円+税
著者名 辻充孝
判型 A5判 ページ数 240
発行年月 2024/04/03
ISBN 9784767832302
PDF版 販売開始日 2024/07/24

出版記念セミナー

2024/6/17(月)17:00~ 辻充孝氏「暮らし方に合わせて提案するゼロエネルギー住宅」(終了しました)
【絵と動画で分かる!】暮らしに合わせたゼロエネルギー住宅の設計方法|辻充孝(エクスナレッジのまとめサイト)

【章トビラの課題】 考え方・解答例(随時アップ中)

第1章 目指すべきは心地よいエコハウス

1-1 あなたが考える心地よい状況はどのようなときでしょうか

1-2 あなたが考えるエコは具体的にどのようなものでしょうか

1-3 あなたの考える心地よい住まいはどんな住まいでしょうか

1-4 温熱環境を記録し、その時の感想を書き込みましょう

1-5.住まい調書に具体的な住まいのイメージを記入してみましょう

1-6. オリジナルの住まい調書や価値観アンケートを作成してみましょう

1-7 暮らしの中で何にエネルギーを多く使っているか家族で考えてみましょう

1-8.心地よいエコな暮らし方を考えて、自宅で実践してみましょう

1-9.心地よいエコハウスを世の中に広めるにはどうしたら
良いでしょうか

第2章 ポジティブ思考で周辺環境をとらえる

2-1 計画地の省エネ地域区分を調べてみましょう

2-2 計画地に近い気象観測所の気温グラフを作図してみましょう

2-3 計画地の風向、風速を調べてみましょう

2-4.比較する地点を定め、計画地の気候の特徴を説明してみましょう。特に気温、日照、降水量、風のそれぞれに着目してポジティブ要素を見つけましょう

2-5.気候データのプレゼン資料をまとめましょう

2-6.計画地周辺の航空写真やストリートビューで気になるポイントを列挙してみましょう

2-7.予習をまとめた敷地分析図を作りましょう

2-8.計画地で感じたこと、気が付いたこと(ポジティブ要素とネガティブ要素)を列挙してみましょう

2-9.敷地分析図をアップデートし、計画のキーとなるポジティブ要素を書き込みましょう

第3章 パッシブ手法からのプランニング

3-1.上下方向の繋がりを意識した計画案を作ってみましょう

3-2.収納と動線を考慮した計画案を作ってみましょう

3-3.庭とのつながりを意識した間取りと外構計画を作ってみましょう

3-4.日照(熱と光)に着目した部屋と窓の配置を作ってみましょう

3-5.周辺からの日影に着目した日照を活かす配置計画案を作ってみましょう

3-6.計画地と住まい手のポテンシャルを活かすために重視したいパッシブ手法を上げてみましょう

3-7.日射取得を意識した計画案を作ってみましょう

3-8.日射遮蔽を意識した計画案を作ってみましょう

3-9.通風に着目した窓配置と空間構成を作ってみましょう

3-10.昼光利用を意識した計画案を作ってみましょう

3-11.熱損失の少ない形状で計画してみましょう

3-12.太陽光発電を意識した建物形状で計画してみましょう

3-13.複数の計画案からピンときた1案をベースに内容を詰めていきましょう。その際、計画の考え方のポイントも明記しましょう

   

第4章 窓性能は熱収支で考える

4-1 メインで採用する窓性能の断熱性能U値を求めてみましょう

4-2 ガラスや枠を設定し窓の日射熱取得率η値(暖房期、冷房期)を求めてみましょう

4-3 敷地周辺の7月下旬の平均外気温、室温28℃のとき、窓面積1㎡あたりの熱損失量はいくらでしょう

4-4 夏期の日中の南鉛直面の日射量が300W/㎡の場合、南の窓面積1㎡あたりの日射熱取得量はいくらでしょう

4-5 外付けブラインドを取り付けた場合、4-4で求めた日射熱取得量はいくらに変化するでしょう

4-6 庇を窓の幅で1m出した場合、4-4で求めた日射熱取得量はいくらに変化するでしょう

4-7 敷地周辺の1月下旬の平均外気温 、室温20℃の時、窓面積1m2あたりの熱損失量はいくらでしょう

4-8 冬期の日中の南鉛直面の日射量が600W/m2の場合、南の窓面積1m2ありの日射熱取得量はいくらでしょう

4-9 4-7,4-8の時、窓の損得計算の結果はいくらでしょう

4-10 夜間の窓の損得計算の結果はいくらでしょう(最低外気温、日射取得はなしと想定)

   

第5章 温熱性能が心地よさを決める

5-1 あなたが考える理想的な断熱材は何ですか?理由も含めてまとめてみましょう

5-2 外壁の熱貫流率U値を計算しましょう

5-2 屋根の熱貫流率U値を計算しましょう

5-2 床の熱貫流率U値を計算しましょう

5-2 基礎の線熱貫流率ψ値を計算しましょう

5-2 開口部の熱貫流率U値を計算しましょう

5-3 1月下旬の最低外気温 、室温20℃の時の外壁、開口部の室内表面温度を計算してみましょう

5-4 建物の外皮平均熱貫流率UA値を計算してみましょう

5-5 換気熱損失を加えて、熱損失係数Q値を求めましょう

5-6 1月下旬の最低外気温 、室温20℃の時、換気も含めた熱損失は何Wでしょう

5-7 計画中の建物をさらに20%断熱性能を向上するように各部位の仕様を検討してみましょう

5-8 計画中の建物の日射熱制御性能ηA値(夏期、冬期)を計算してみましょう

5-9 隣地の影響を考慮してηA値を補正してみましょう

5-10 冬期の水平面日射量が450W/m2の時、建物内に入ってくる日射熱は何Wでしょう

5-11 夏期の水平面日射量が600W/m2の時、建物内に入ってくる日射熱は何Wでしょう(240911)
5-12 屋根と外壁の冬型内部結露の防露計算(透湿比抵抗か定常計算)をしてみましょう(240914) 5-13 あなたの目指す温熱環境を理由とともに文章化してみましょう(240918)  

第6章 省エネ+創エネでゼロエネ住宅

6-1 計画地の標準的なエネルギー消費量を計算してみましょう

6-2 環境家計簿を用いてエネルギーの実測をしてみましょう

6-3 用途分解プログラムを用いて光熱使用量から用途分解をしてみましょう(240921)
6-4 計画している建物のエネルギー消費量を計算してみましょう(240925) 6-5 計画している建物の年間の光熱費を計算してみましょう(240928) 6-6 計画している建物の年間のCO2排出量を計算してみましょう(241002)
6-7 理想的な暖房設備は何でしょうか(241005) 6-8 理想的な換気設備は何でしょうか(241012) 6-9 理想的な給湯設備は何でしょうか(241016)
6-10 理想的な照明設備は何でしょうか(241019) 6-11 太陽光発電を5kW設置した場合、自家消費量と売電量を計算してみましょう(241023) 6-12 費用対効果を意識して、いろいろな仕様を検討して整理しましょう(241026)
6-13 家電・調理を含めたリアル・ゼロエネルギー住宅を計算上で実現してみましょう(241030) 6-14 要素別に建物性能と設備に合わせた省エネな暮らし方のアドバイスを考えてみましょう(241102) 6-15 暮らし方を補正してみましょう(241106)
6-16 CASBEE評価を行ってみましょう(241109) 6-17 これまで整理した気象、地域、暮らしの分析とプランニングに説明を加えてプレゼンテーション用の資料にまとめてみましょう(241113) 6-18 あなたの目指すエネルギー性能を理由とともに文章化してみましょう(241116)

第7章 ねらいを絞って健康・省エネ改修

7-1.既存建物の温熱性能を予測してみましょう

7-2.温熱環境と健康の情報を集めて資料を作成しましょう

7-3.既存建物のエネルギー性能を予測し、計算してみましょう

7-4.既存建物の改修方針(温熱、エネルギー)を立てましょう

7-5.断熱改修仕様を決め、改修後の温熱性能を計算してみましょう

7-6.設備改修仕様を決め、改修後のエネルギー性能を計算してみましょう

7-7.改修後の温湿度を測定し心地よい温度域で暮らしているか確認しましょう

7-8.設計時のエネルギー計算と改修後のエネルギー実測を比較・考察してみましょう

7-9.暮らし方のアドバイスを考えてみましょう

補遺(最新情報)

1.最新情報(177頁):エネルギー自給率2021年度
2.最新情報(175頁):環境家計簿 標準値2016-2020
3.最新情報(120頁):基礎計算 方法2 定常二次元伝熱計算の代表的な値を用いる方法
4.最新情報(120頁):5つの基礎計算の比較検証(底板断熱の大切さ)

※最新情報はメモを記入したり、プリントを挟み込むと便利です。

この本の読み方・使い方

「ぜんぶ絵でわかる エコハウス」の読み方・使い方を8つのステップで紹介します。
この本とじっくり付き合ってください。

ぜんぶ絵でわかる エコハウス 読み方・使い方

心地よいエコハウスのつくり方

ぜんぶ絵でわかる エコハウス」のエッセンスを抜き出したコラムです。

1.心地よいエコハウスとは
2.少しの温度ムラとコントロールできる楽しさ
3.地域の良さを活かす
4.ポジティブ思考で考える
5.気象データを読む
6.建築設計用気象データを活用
7.周辺環境を読む
8.現地で答え合わせ
9.プランニング段階で考えるパッシブデザイン
10.配置の基本は太陽に素直
11.動く光熱源の太陽
12.日照に素直に配置
13.通風は入口と出口のデザイン
14.昼光利用は高いところからが基本
15.建物形状で有利不利がある
16.最低でも5案は作って検討する
17.温熱性能は心地よさと省エネの実現
18.断熱、日射熱制御は熱収支で考える
19.気密性能で上下温度差をなくす
20.温熱性能向上と防露性能はセット
21.省エネはエネルギーバランスから考える
22.エネルギー計算プログラムを活用する
23.給湯は太陽熱温水器かエコキュート
24.省エネのエアコンか心地よさの床暖房
25.暖房エネルギー削減は断熱と日射熱取得
26.エネルギーから光熱費を予測する
27.太陽光発電は自家消費率を高める
28.環境家計簿で暮らしを読む
29.暮らしに合わせた省エネ設計
30.暮らしのメンテナンス

目次

正誤表

正誤表の図入りのページです。

該当頁 箇所 日付
初版 236 表の上部名称 透湿抵抗ζ 透湿抵抗ζ

2024/6/17

初版 236 アクアフォーム(吹付け)の備考 透湿抵抗 透湿抵抗

2024/6/17

初版 223 中タイトル(上) 断熱厚さと熱貫流U値の関係 断熱厚さと熱貫流U値の関係 2024/6/10
初版 7 目次columnタイトル の日射熱取得量の目安 の日射熱取得量の目安 2024/5/18
初版 144 上の図の右側タイトル 気密住宅 高気密住宅 2024/5/10
初版 202 応用レベルのタブのずれ     2024/4/15
初版 223 上の図の左2つの矢印内の文字が逆 性能向上が少し鈍化 性能向上が著しい 2024/4/3
性能向上が著しい 性能向上が少し鈍化
初版 165 図の0℃以下の〇内の表記 2024/3/14
初版 194 中央の図の四角吹き出し LEDが大きくなるとエネ増加 LDKが大きくなるとエネ増加 2024/3/14

 

環境デザインサポートツール

付録についている環境デザインサポートツールの解説ページです。