心地よいエコハウスとは(心地よいエコハウスのつくり方1)

ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス」のエッセンスを抜き出して心地よいエコハウスのつくり方として紹介していきます。

さて、みなさんは「心地よいエコハウス」と聞くとどんな家を想像しますか。
私が考える心地よいエコハウスは、エネルギーをほとんど使わず、初夏には気持ちの良い風が流れ、冬はポカポカした陽気が感じられる住まいです。
つまり、高断熱・高気密で室内環境がコントロールされた閉鎖的な省エネ住宅ではなく、季節や時間によって開いたり閉じたりする「自然に素直な家」です。

これを実現するにはコツがいります。閉じたいときに閉じれる断熱・気密性能は大切ですし、日射を取り込めるちょうどいい開口部や気持ちいい外構計画も大切です。天気の悪い時には、高性能な設備にも頼ります。

また、住まい手は窓やカーテンを開けたり閉めたり、場所を移動したりとアクティブな暮らし方も必要です。

つまり周辺の環境や家族の暮らしなど、それぞれのポテンシャルをしっかり活かすデザインなのです。

ここで、もう少し心地よさの本質を考えてみます。

心地よさは、暖かい空間(性能)だけではなく、好みのデザイン(意匠)や適切な収納量(計画)、仲のいい家族との距離感(雰囲気)などさまざま要因で出来ています。
性能だけ、あるいは意匠だけにこだわっても心地よい住まいは実現できません。
全体のバランスが大切です。加えて、省エネ性能も見逃せません。
エネルギー自給率が低い日本では、エネルギーの安定供給や光熱費高騰のリスクから省エネ性能は不可欠です。そのため、自然エネルギー利用や高効率設備、創エネ設備をしっかり検討する必要があります。

そのために、自然エネルギーのポテンシャルや、どんな家族が住むのか、どのような室内環境を目指すのか、それを実現できるプランはどういったものか。
そのための断熱性能や設備はどのようなものかなど、様々な要素を考えていく必要があります。その手間の分、家族にあった心地よい暮らしが実現できるのです。

次回から、心地よさの中でも特に大切な温熱環境と省エネ設備に関して設計手順と手法を紹介していきます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーこの連載は全30回の予定で、月、水、金の20時の更新を予定
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