断熱性能の基本3 隣接空間の温度を見込む

温熱環境を考える時に、隣接空間の温度はとても大切です。 温度差が2倍になれば、熱の移動も2倍になります。さたに暖冷房の光熱費も2倍になります。 例えば集合住宅で、みんなが同じように暖房をつけて同じ温度で暮らしていれば熱は隣室に熱は逃げません。 一方で戸建て住宅は基本的に家の外は全て外気ですので、冷え込む日の温度差は非常に大きく、熱が逃げやすくなります。これを防ぐのが断熱性能(保温性能)です。温度差 […]

断熱性能の基本2 熱貫流率U値から室内表面温度の計算する

「断熱性能の基本1 熱貫流率U値の計算」では、部位ごとの仕様から各部の平均熱貫流率U値の計算方法を見てきました。今回は、その熱貫流率U値から室内表面温度を計算する方法を動画で解説します。意外と簡単に求めることができます。 この室内表面温度は、心地よさに大きく影響する要素で、その向上には断熱性能:熱貫流率U値がカギを握っています。 1つ目は、体感温度は室温と同じくらい表面温度が影響するということ。 […]

断熱性能の基本1 熱貫流率U値の計算

専門技術者研修の木造建築オンデマンド研修として、温熱性能の基本となる各部位の熱貫流率U値について計算方法を見ていきます。 今回計算する熱貫流率U値はシンプルな計算ですが、心地よさの基本となる性能です。この熱貫流率U値を使って光熱費の元になる熱損失量を想定したり、室内の表面温度や体感温度の関係を考えるきっかけになる性能です。 詳しい計算方法や各係数、物性値などの情報は、国土交通省 建築物省エネ法サイ […]

断熱性能は「性能×厚み」で決まる

前回まで、敷地の良さを読み取り、建物を配置していくヒントを見てきましたが、今回から数回にわたって建物の温熱性能について考えていきます。 温熱性能の中でも最も基本となる断熱性能は心地よさの下地をつくる大切な性能です。冬は熱を逃がさず、夏は熱を入れません。保温性能と言い換えた方がイメージしやすいかもしれません。今回は断熱性能の基本要素である熱貫流率U値の計算をマスターします。計算を通してそれぞれの意味 […]

地域環境を読む

敷地分析図を描く 敷地の南はどんな家が建ってますか?隣の家の窓や室外機の位置はどうですか?同じ地域でも立地によって土地の持ち味は全く異なります。 ですが敷地周辺の調査をしようと、いきなり敷地に行くのは効率的ではありません。敷地に行っても、その廻りだけしか確認せずに見落としが発生する可能性が高いからです。まずは少し広い範囲で可能な限り予習をして出かけましょう。確認したいのは、山並みによる日照影響や周 […]

日影図の勘所をつかむ

日照を考える上で前回は南の隣棟の状況が大切で、日影図を書くことでいろいろ検討できることを書きました。 とはいっても検討初期段階から、たくさんの日影図を書くことは大変です。そこで、こんな立地環境だと、どんな影の影響があるかをパッとイメージできると効率的です。 そんな日影図の勘所を鍛えるために、いくつかの日影パターンを見てみましょう。 高さ毎の影の様子(4時間日影) 下図は高さ6mの隣棟建物の4時間以 […]

隣棟建物の日照を読む

前回のコラムでは、太陽高度から日の入り方の違いを見てきました。 ですが、実際の土地では、隣家や空地などの周辺環境で日照状況は大きく異なります。建物の配置計画は部位の構成を考える断熱設計と違って、後から変更することが困難です。周辺環境を読み、理想的な配置計画を考えましょう。 南の方位を大切にする 隣棟の建物を観察するときに、特に日照の上で大切にする方位はどこでしょうか。これは特別な答えがあるわけでは […]

太陽の傾きは季節と時間を読む

夏至と冬至の太陽の傾きから軒の出を検討する図をよく目にしますが、日照検討はこれで十分でしょうか? 夏至は6月21日前後、暑くもなく気持ちいい季節ですね。 気候データからも、最も暑い時期は7月下旬から8月上旬頃(大暑)です。そのころには太陽の傾きも低くなってきていますし、残暑の時期はなおさらです。 また太陽は12時の位置で止まっているわけではなく、東から日が昇り、西に沈んでいきます。まだ暑い15時頃 […]

発想の転換で地域の良さを見つける

気候の特徴を見極める 日本には地域気象観測システム(通称アメダス)が全国に約840か所も設置されています。(降水量を観測する観測所を含めると約1300か所) これらのデータは気象庁のHPを見るといつでも確認できます。http://www.jma.go.jp/jma/index.html 統計情報もきれいにまとまっていて、簡単に取り出すことができます。 気象データを取り出す手順ですが、 1.気象庁H […]

気候の違いで建物が変わる

日本は北海道から沖縄まで南北に約3,000km、亜寒帯から温帯、亜熱帯までさまざまな気候帯に属しています。また、標高差や海流の影響で冬は日本海側は雪や雨が多い一方、太平洋側では晴れの日が多くなったりと、各地で気候の違いが顕著です。この気候の違いが建物の造り方にも表れることがあります。 実際、全国各地を旅行すると、気候に影響を受けたであろう多種多様な民家に遭遇します。 例えば、世界遺産の岐阜県荻町の […]

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