気密性能 JIS改正の概要
- 2023.07.24
- 設計ツール
ISO9972が2015年に改定されたことを受けて、2017年12月にJISも改定
概ねこれまで通りだが一部変更点もある。
●試験方法に関して(ISOの規定に統一)
建物条件が2種類
建物条件1 外皮だけを対象とする場合(原則こちらの条件を採用)
建物条件2 局所換気等を含めた外皮を対象とする場合
建物条件1は外皮だけを計測するので、換気設備はテープなどで気密処理を行う(旧JISの気密処理しても良いから気密処理をしないといけないに変更)
●測定回数に関して
通気量の測定(等間隔5点以上)を1回とし、測定回数は3回とする。(旧JISでは1回の測定だった)
●決定係数
回帰式の決定係数R2(ばらつきを示す数値)は0.98以上(旧JISは0.95以上が望ましいこと)
●試験結果
対数グラフの縦と横の軸を変更(縦軸が通気量Q、横軸が圧力差⊿P)
●測定条件
・外部風速が3m/s以下(1.5mの高さ)を確認(旧JISは少し曖昧だった)
・ゼロ流量時の圧力差測定方法をISOに整合させた。(試験前の室内外圧力差を30秒以上計測し10点以上の平均が±3Pa以内であること、試験前後で±1Pa未満であること)
●測定機器に関して(ISOの規定に統一)
・温度計は±0.5K精度(旧JISでは1Kの精度)
・風速計は±0.1m/s精度(改正JISで追加)
■参考
・ISOでは、外皮面積当たりの相当隙間面積が定義されたが、改正JISではこれまで通り床面積あたりで示し、付属書(参考)で示されている。
・改正JISでは減圧法を原則とし、加圧法は参考程度
・ISOでは通気量補正を空気温度、大気圧、相対湿度を用いて補正しているが、温度補正だけのものと差がないことからこれまで通り温度補正のみ行う。
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