気象データを読む(心地よいエコハウスのつくり方5)
まずはマクロな視点・気象特性で、地域の良さを見つけていきましょう。
基本となるのは気象状況を反映した省エネ基準の地域区分です。
気温は寒冷な1地域から温暖な6地域、蒸暑い8地域まで8つの地域区分で示されます。
日射量の多寡は3つの期間(年間、暖房期、冷房期)において5段階(5が多い、3が平均、1が少ない)で示されます。
気温からは温熱性能の目標を決めるヒント、年間日射量からは太陽光発電や太陽熱温水器のポテンシャル、暖房期日射量は冬期の日射熱取得、冷房期日射量は日射遮蔽の大切さなどが読み取れます。
寒くても日射量の多い地域ほどやりがいが感じられますし、日射量が少なくても貴重な日射をいかに取り込むかと考えることが大切です。
岐阜県の中だけでも名古屋に近い温暖な岐阜市(6地域)から、森林文化アカデミーがある美濃市(5地域)、古い町並みで有名な郡上市八幡町(4地域)、山間部にあるきれいな町並みの飛騨市古川町(3地域)と様々です。
表以外の市町村は、建築研究所の省エネ基準の技術情報(第十一章)から読み取れます。(冷房期のみ改修版 自立循環型住宅への設計ガイドラインより)
次に見たいのは気象庁の気象統計情報です。過去の気象データを見ることができます。
ここで着目したいのは平年値です。平年値は、1991年~2020年までの30年間の平均値(10年ごとにあたらいい期間に更新)です。これで気象の傾向が確認できます。
計画地に近い観測所の過去の傾向を確認してみましょう。
気象庁の気象統計情を分析するエクセルをダウンロードページで公開していますのでご活用ください。
ーーーーーーーーーーーーーーこの連載は全30回の予定で、月、水、金の20時の更新を予定
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