興福寺(奈良県)

| 建物名 | 興福寺 | 住所 | 奈良県奈良市登大路町48 |
| 設計者 | -(藤原不比等) | 施工者 | - |
| 建築年 | 710年 | 訪問日 | 2025/9/14 |
猿沢の池から石段を上がると、南円堂が姿をあらわす。
均整のとれた八角形の平面。屋根の反りは控えめで、むしろ基壇の高さが空間に緊張感を与えている。軒下に入ると、柱の太さと間隔が絶妙で、視線が自然と中心へと導かれる。これは意図的な「視線誘導」だろうか。構造と心理の交差点に立っているような感覚になる。


構える東金堂が目に入る。南円堂の端正な八角形とは対照的に、こちらは直線と量感が際立つ構成。
桁行七間・梁間四間の堂々たる構え。柱の並びが生むリズムは、まるで音楽のように空間にテンポを与えている。特に、正面の柱間が広く取られていることで、視線が自然と中央の仏像へと導かれる。これは単なる構造配置ではなく、「空間の意図」が込められた設計だと感じる。



隣に建つ五重塔は残念ながらメンテナンス中で見ることはできなかった。

興福寺の境内を巡る中で、最も「中心」を感じさせるのが中金堂だ。
2018年に再建されたこの建物は、単なる復元ではなく、空間の記憶を現代に呼び戻す試みでもある。
桁行七間・梁間四間の堂々たる構成は、東金堂と同じ寸法ながら、屋根の反りや基壇の高さが微妙に異なる。再建にあたり使用された木材は、すべて新材。
継手や仕口には伝統的な技法が用いられ、構造的な「語り口」は古式そのもの。柱の太さ、梁の架け方、垂木の密度——どれもが、かつての中金堂の記憶をなぞるように設計されている。新しいのに懐かしい、そんな空間体験がある。


境内を見渡すと南円堂が見える。

石段の途中には、奈良名物の鹿がくつろいでいる。

横道にそれると、三重の塔が見えてくる。
初層の軒下に立つと、塔全体が思いのほかコンパクトに感じられる。高さ約19メートル——五重塔の約半分。それでも、空間に漂う緊張感は決して劣らない。むしろ、三層という制限の中で、構造と意匠が凝縮されているように思える。

写真は撮影できないが国宝館の仏像の数々は圧巻。
国宝の阿修羅像をはじめ、銅造仏頭、木造金剛力士像、天燈鬼・龍燈鬼立像、須菩提像、十大弟子立像など、たくさんの国宝、重要文化財が集結しています。
足を伸ばして奈良町の方へ。
古い建物が残り散歩していて飽きない。

猿ぼぼが有名だが、塀の瓦にも猿ぼぼの姿も見える。



