海の博物館(三重県)

| 建物名 | 海の博物館 | 住所 | 三重県鳥羽市浦村町 大吉1731−68 |
| 設計者 | 内藤廣 | 施工者 | 大西種蔵建設 |
| 建築年 | 1992年 | 訪問日 | 2020/2/11 |
内藤さんの初期作品「海の博物館」
この施設は、漁村文化や海女の営みを未来へ伝えるために設計され、日本建築学会賞(1993年)やJIA25年賞(2022年)など数々の賞を受賞しています。
牧野植物園と同じく、建物に加え、展示物が素晴らしいです。
博物館は大きく二つの建物群 展示棟、収蔵庫から成り立っています。
展示棟は米松集成材を用いた木造架構による大空間です。

棟部にトップライトが設置され、昼光で室内を明るく照らしています。

収蔵庫はプレキャストコンクリートとポストテンション構法を採用し、塩害や湿度に耐え、約3万点もの漁具や民俗資料を守るための堅牢な「器」として設計されています。
建物で全体的なプロポーションは統一されており、木造、RC造の特徴が断面や意匠に出ていて素材に素直に向き合っています。
収納された木造船は圧巻で、見せる収蔵庫はここから始まったのではないかと思われます。


外壁には杉板をタールで塗装し、海辺の集落の建物を連想させる意匠が施されています。
赤い扉は強烈なインパクトを与えており、いいアクセントになっています。



収蔵庫は2棟の間がエントランスになっており、こちらは渋い黒い扉が印象的です。

メインのエントランスは石積みで隠されたRC基礎から鉄骨のキャノピーが拡がり、施設の期待感を膨らませます。

増築されたカフェも石積みの擁壁と木架構がおしゃれな空間。
片流れ屋根に方杖を入れることで、切妻っぽい印象が面白い

展示棟の足元は金属プレートにドリフトピンで固定。

スチールの開口部もすっきりとした納まり。

手摺なども異形鉄筋を使うなど、徹底的にコスト低減に取り組みつつ、完成度の高い建築に仕上がっている。



