自然と森、林業(「風の谷」という希望 )

自然と森、林業 (「風の谷」という希望)

先日紹介した名著「風の谷という希望」はこれからの重要な指針が多くの分野にわたって書かれています。自分の備忘録として要点を紹介していきます。

第Ⅲ部の6つの領域から「自然と森、林業」

森の3つの役割

  • 生命が過ごす場所を提供し、地球環境と水資源を調節・維持(環境と生態系の維持)
  • 資源を供給し、いくつかの産業基盤(資源の供給と経済基盤)
  • 学びを得る場、心を育む場(文化的・教育的価値)

・森が伝統文化や習慣の維持につながっていることも多い。

・川の水源は山々の湧水であり、林業価値の数十倍はある水資源貯蓄力

・室町時代から終戦まで都市周辺の山々ははげ山。明治以降、大規模な植林事業が展開

・植林の大半はスギやヒノキの単純林。生物多様性は著しく損なわれる。そのため、その土地本来の樹種による多層構造の森づくりが望ましい

・環境教育として人の手が入った里山的な雑木林もその役割に応じて価値がある

・多種共存の森を目指す。森林を“資源供給の場”や“レクリエーションの場”だけでなく、多様な生き物たちと人間の関係性を再デザインする場としてとらえる

・必要最小限の人為的介入で森を監理する。省人化とモニタリングのための新技術も検討

・単にレジリエンスの視点だけでなく、人々の幸福につながる自然との豊かな関係性をどう作り出すかという観点が重要

これからの森づくりにおける4層構造の森(異なる特性を持つ森が重層的に存在することが望ましい)

  • 日常的な交流の場としての森・・・見通し良く明るい林床が特徴
  • 持続可能な林業や資源活用としての活用の森
  • 水質浄化や生物多様性としての再生の森
  • 生態系の核心部として機能し、大気の浄化や水源涵養の中心的機能の深い森、荘厳で神秘的な空間としての文化的側面も持つ

・それぞれの森の間には緩やかなエコトーンが存在することが重要

・トレイル・ウォークの効果を活かす

  • 心身の健康増進
  • 自然との深いつながり
  • 個人の成長
  • 文化的・社会的な価値

・森を「保護」するのでも「利用」するのでもない、第三の考え方、テクノロジーを活用しながら、森と人が互いに高めあう関係を構築すること

図版やデータが豊富で読みやすく説得力がある。

過去の「風の谷」という希望の記事リンク

「風の谷」という希望(安宅和人)
全体構想と問題意識(第Ⅰ部)
解くべき4つの課題(第Ⅱ部)
自然と森、林業(第Ⅲ部-1)
空間構造の基盤:インフラ(第Ⅲ部-2)
エネルギー(第Ⅲ部-3)
ヘルスケア:心を体の健康(第Ⅲ部-4)
教育と人づくり(第Ⅲ部-5)
食料生産と食(第Ⅲ部-6)
谷の空間をデザインする(第Ⅳ部)
風の谷という系を育む(第Ⅴ部)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA